ICL(Implantable Collamer Lens)とは、視力を矯正するために眼内にレンズを埋め込む手術のことです。視力が悪く、眼鏡やコンタクトレンズを使っても不便を感じている人や、レーシックに不安を抱えている人にとっては、新しい選択肢として注目を集めています。
ICL手術は日本国内でも徐々に普及しており、多くの人がそのメリットを実感しています。
この記事では、ICLがどのようなものか、どのような特徴があるのかをわかりやすく解説します。
ICLとは?
ICLは「インプランタブル・コラマー・レンズ」の略で、日本語では「眼内コンタクトレンズ」とも呼ばれています。
レンズを目の中に埋め込むことで、視力を矯正します。具体的には、目の中の虹彩(茶目の部分で目の中に入ってくる光の量を調節する部分)と水晶体(目の中で焦点を調整するレンズ)の間の「後房」と呼ばれる位置に薄くて柔らかい人工レンズを挿入します。
このレンズは半永久的に取り付けられ、視力を大幅に向上させることができます。
ちなみに、レーシック(LASIK)は角膜(黒目を覆っている眼球の一番外側にある膜)を削って視力を矯正します。ICLは角膜を削らないため、角膜の形状が変わらないという点が大きな違いです。
ICLは取り外し可能であり、後から再手術が必要になったり、視力が変わったりした際にはレンズを交換することもできます。
ICLが選ばれる理由
ICLが注目される理由は、いくつかのメリットにあります。
■ 1. 角膜を削らない
ICL手術では角膜を削る必要がありません。
これは特に、角膜が薄くてレーシックを受けられない人や、角膜を削ることに抵抗がある人にとって大きなメリットです。角膜の形を維持したまま視力を矯正できるため、目の構造に与える影響が少ないと言われています。
■ 2. 視力が安定しやすい
ICLは目の中にレンズを入れるため、視力矯正の結果が非常に安定しているのが特徴です。
手術後すぐに視力が改善され、その後も長期間にわたって安定した視力を保てることが多いです。手術の成功率も高く、多くの患者様が満足な結果を得ています。
■ 3. 取り外し可能
一度目の中にレンズを入れると、元に戻せないといった心配があるかもしれません。
しかし、ICLは取り外し可能で、必要があれば手術後にレンズを取り出すことができます。例えば、年齢とともに視力が変化したり、他の眼疾患が生じた場合にも対応しやすいです。
ICL手術の流れ
ICL手術の流れは以下のようになります。
■ 1. 術前検査
まず、ICL手術を受けるためには2回の適応検査を行います。
この検査では目の形状や視力、角膜の厚さなどを調べ、ご自身の眼にICLが適しているかどうかを確認し、最適な度数を決定します。
■ 2. 手術
手術は通常、局所麻酔で行われ短時間で完了します。
具体的には、角膜をわずか3mmほど切開し、そこからレンズを挿入します。レンズは自然に広がり、両端を虹彩の下に入れ正しい位置に固定します。
■ 3. 術後のケア
手術後は目を保護するための目薬を使用し、一定期間は定期的に検診を受ける必要があります。
視力は手術直後から改善され、数日で日常生活に戻れるケースが多いです。
ICLのデメリット
ICLには多くの利点がありますが、注意点もあります。
例えば、費用は保険適用外のことが多く、レーシックに比べて高額になることが一般的です。また、まれに感染症や炎症といったリスクが生じることもあるため、信頼できる医療機関での手術が推奨されます。
これらのデメリットを理解し、医師とよく相談した上で決断することが重要です。
まとめ
ICLは、視力を矯正したいけれどレーシックに抵抗がある人や、視力の変動に対応したい人にとって優れた選択肢です。
角膜を削らないため、目の形状に影響を与えず、取り外しも可能なことから多くの人にとって安心感のある手術といえます。視力に関する悩みを抱えている方は、ICLの手術について専門医と相談し、自分にとって最適な方法を見つけることが大切です。
当院では、ICL手術前の適応検査を無料で受けていただくことが可能です。
お気軽にご予約ください。