
ICL手術は、目の中に小さなレンズを入れることで視力を改善する手術です。
近視や乱視が強くてレーシックができない人でも、ICLなら手術が可能なことが多く、若い世代を中心に注目されています。
ただ、ICL手術はどんな眼の状態でもできるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は「斜視があってもICLができるのか」について詳しくお話します。
1. 斜視ってどんな状態?
斜視(しゃし)とは、左右の目の向きが揃っていない状態のこと。
たとえば、右目は正面を向いているのに、左目は少し内側や外側を向いてしまうようなケースです。
斜視にはいろいろなタイプがあります。
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内斜視:目が内側(鼻のほう)に寄るタイプ
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外斜視:目が外側(耳のほう)にずれるタイプ
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上下斜視:片方の目が上下にずれるタイプ
子どものときに目立つことが多いですが、大人になっても残っている人もいます。
見た目の問題だけでなく、目がズレることで物が二重に見えたり、疲れ目の原因になったりもします。
2. 斜視があってもICL手術はできるの?
結論から言うと、斜視があっても「多くの場合で可能」です。
ICL手術はあくまで「視力」を矯正するもの。
目の位置や動きに関係する「斜視」とは、別の問題なんです。
つまり、目の位置が多少ずれていても、視力が悪ければICL手術でその部分を改善できるということ。
実際に、軽度〜中等度の斜視があっても、ICL手術を受けている人はいます。
3. 斜視があってもICL手術はできるの?
とはいえ、どんな方でも必ずOKというわけではありません。
ICL手術をするには、事前に「適応検査」というものを受ける必要があります。
この検査では、
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目の形(眼球の奥行きや角膜の厚み)
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レンズを入れるスペースがあるかどうか
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目の病気がないかどうか
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両目のバランスや目の動き
など複数の項目を細かくチェックします。
もし斜視が重度で、両目で見る力(両眼視)に支障がある場合は、ICL手術の前に斜視の治療が必要になることもあります。
また、目のピントのズレによって、かえって見え方に違和感が出ることもまれにあります。
だからこそ、経験のある眼科医の診断がとても大切です。
4. ICL手術で視力が安定すると斜視も改善する?
これはその人の斜視の状態によりますが、ICL手術を受けて視力がクリアになることで、目の疲れが減り、軽い斜視が目立ちにくくなることもあります。
特に、片目だけが悪くてそれを放置していた場合、ICL手術によってバランスがとれるようになり、目の使い方が自然になることもあります。
ただし、「斜視そのものを治す目的」でICL手術を受けるのはちょっと違います。
ICL手術は、あくまで視力矯正が目的であることは知っておいてください。
5. まとめ
斜視があっても、ICL手術が可能なケースはたくさんあります。ただし、事前の検査でしっかり目の状態を確認することが大切です。
自分の目の状態をよく知ることで、安心して手術にのぞめます。
不安なことがある場合は、遠慮せずにクリニックに相談してみましょう。
ICLは一人ひとりの目に合った手術なので、丁寧な対応をしてくれるクリニックを選ぶのも大事なポイントです。